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阪神・金本知憲監督 「猫の目打線」批判を意に介さぬ理由

「猫の目打線」批判を意に介さず

 沖縄・宜野座村営球場での阪神春季キャンプ。打ち上げ直前の2月27日、グラウンドでは紅白戦の後、選手による「リレー大会」が行なわれていた。

 紅白戦で負けたチームが3組に分かれ、1周200メートルのグラウンドを全力疾走する。2位と3位はもう一度走り、最下位になった組が居残りで特打をするというルールだ。いまや阪神キャンプの名物行事になっているこのメニュー、考案したのは、脇で選手たちを見つめる金本知憲監督(48)である。

「自分で言うのも何ですけど、これ、相当キツいと思いますよ(笑い)。僕が現役だったら間違いなくリタイアしている(笑い)。でも、今回のキャンプではリタイアする選手がいなかった。それは褒めてやらないといけないかな」

 目を細めつつ、こう続ける。

「ウチは若い選手が多い。だからある程度厳しいメニューを作り、強制しています。そうやって僕らが背中を押してやる必要がある。その代わりこっちには、最後まで見守る責任があると思っています」

 今季、金本監督は就任2年目を迎える。鳴り物入りで監督に就任した昨季は「超変革」をスローガンに掲げ、一軍経験の少ない若い選手を積極的に起用した。ただ、序盤こそ勝率5割をキープしていたが、交流戦を境に低迷。結果的に4位に沈み、クライマックスシリーズへの出場すら逃してしまった。

「もちろん昨年も優勝を目指していましたよ。負けてもいいや、なんて思った試合は一つもありませんから。反省点はたくさんあります。ただそれは、その時の選手起用や作戦面のことの反省ですね。こればかりはキャンプでは補えないから、実戦に入ってみないと、と思っていますけど」

 昨年、組んだオーダーは実に126通りに及ぶ。複数の若手を起用したこともあるが、“猫の目打線”の大きな原因の一つは深刻な貧打だった。チーム打率はリーグ最下位(.245)、チーム得点(506点)と本塁打数(90本)はともに5位。故にこのキャンプでは「打線の強化」が急務とされたが、いざ終了してみると、レギュラーも4番も決まらなかった。だが金本監督は意に介さない。

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