国内

川崎市を環境先進都市にした「ゴミ列車」が役目を終える日

川崎市の環境意識を変えた「クリーンかわさき号」

 貨物列車といえば、工業製品や野菜など、生産、製造しているものを遠隔地へ運ぶ手段のイメージが強かったが、今では多種多様なものを運んでいる。貨物列車の多様な運用の先駆けとして始まった、ゴミを運ぶ貨物列車「クリーンかわさき号」の誕生と今について、ライターの小川裕夫氏がリポートする。

 * * *
 トラックドライバー不足によって、人手が少なく輸送効率のよい貨物列車が見直されている。そうした貨物列車復権の流れの中、川崎市環境局は20年以上前から貨物輸送を活用してきた。驚くことに、川崎市環境局が貨物列車で運んでいるのは川崎市民が日々排出しているゴミだ。なぜ、川崎市環境局は貨物列車でゴミを運んでいるのだろうか?

「川崎市が貨物列車でゴミを運ぶようになった背景には、当時に直面していた川崎市のゴミ問題があります。川崎市は市域が南北に細長いのですが、住民の多くは北部に住んでいます。そのため、北部で大量のゴミが排出されます。ところが、北部は住宅街になっているのでゴミを処分する焼却場を建設することが容易ではありません。焼却場の建設が進まない中、人口はどんどん増え続けました。川崎市はゴミを処分するのが難しくなり、1990(平成2)年に”非常事態宣言”を出すほどの危機に陥ったのです。危機を回避するため、川崎市は1995(平成7)年に南部地域に焼却場を建設したのです。南部地域は工場が立地する埋立地なので焼却場建設が容易だったのです」(川崎市環境局施設部処理計画課)

 新たなゴミ焼却場が稼働するまでの間、川崎市は市民一丸となってゴミの減量化に着手。ゴミの減量化に取り組む一方で、住民が多い北部地域から排出されるゴミを減量化しても北部地域の焼却場だけで処理することは難しかった。そこで、川崎市は北部地域で排出されたゴミの一部を南部地域の焼却場まで運ぶことにした。

 だが、毎日100トンも排出されるゴミを清掃車で運ぶには、清掃車の台数もドライバーの人員も膨大になる。清掃車が渋滞を引き起こしてしまうことも避けたい。

 悩んだ川崎市は、北部地域のゴミ焼却場の近くにJR貨物の梶ヶ谷駅があることに着目した。梶ヶ谷貨物駅にゴミを集め、神奈川臨海鉄道の末広町駅まで貨物列車で運ぶ。そこからトラックで浮島処理センターへ輸送すれば、ゴミをスムーズに処分できる──。

トピックス

岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン