しかし、皮肉にも市民の環境意識が高まってゴミの減量化が進んだことで、逆に『クリーンかわさき号』は役目を終えつつある。
「非常事態宣言が出された1990(平成2)年、ゴミ排出量は年間55万トンにものぼりました。市民の協力もあり、現在は年間37万トンにまで減少しています。減量化の取り組みは継続中で、今後はもっと減ることでしょう。そうなったら、わざわざゴミを貨物列車で運ぶ必要はなくなります」(同)
当面、「クリーンかわさき号」が引退することはないようだが、川崎市のゴミ減量化がさらに進めば、いずれお役目御免ということになるかもしれない。「クリーンかわさき号」を見られなくなるのは、鉄道ファンにとっては残念だろう。しかし、それは貨物列車が社会を変えたという証でもある。