◆三途の川の手前には「カフェ」がある
ガイド役とともに、三途の川に歩を進める。「何度も行き来した」という坂本氏の説明は詳細だ。
「川には橋が架かっています。手前には、現世と同じように建物や乗り物があり、お土産屋などが並び、ショッピングモールのようになっています」
まさに空港のロビーのようだが、大きな違いは“出国”したら基本的には戻って来られないこと。橋のたもとには「ブリッジ・カフェ」があるという。
「死者たちはこのカフェで現世に残した家族や親しい人たちに、最後の別れを告げていました。死者は生者の夢の中に入り込み、思いを伝える。しかし、生者は目が覚めると会ったことを忘れてしまっている場合が多いといいます」(坂本氏)
家族や友人に思いを告げ、いよいよ川を渡る時が来た。船で渡るイメージが強いが、坂本氏によれば、「バスなどを使って橋を渡ることもある」という。
◆人によって川幅は異なる
三途の川は大河を想像するが、人によって、その大きさは異なる。守護霊と交流することができるという如月マヤ氏が心不全で臨死体験した際に見た三途の川は、小指の先ほど細かった。
「如月氏のように川幅が細くて容易に渡れるのは充実した人生を送れた人だと思います。現世に執着があり、欲深い人ほど川幅が広くなるようです」(辛酸氏)
※週刊ポスト2017年4月14日号