デジタル遺品のパスワードがわからない場合、専門家に依頼し、特別なソフトを使って調べたり、再発行依頼をかけることになり、お金も時間もかかる。使わないデジタル機器やデータは、こまめに処分することも必要だ。
【デジタル遺品トラブル実例集】
◆愛妻家だった夫のPCから信じがたい不倫写真が…
「愛する夫との思い出の写真をどうしても残しておきたい──」。35年連れ添った夫を亡くしたAさんは、悲しみにくれながら愛妻家だった夫のパソコンを開いた。するとそこには、夫婦ならぬ不倫旅行の写真が。しかも旅先は、夫婦旅行で訪れたのと同じ場所で…。死後、家族をさらに悲しませないよう、人に見られたくないデータはなるべく保存しておかないこと。
◆家族に内緒でFX取引。1500万円の損失を遺族が支払う?
夫が交通事故で急死。その際、携帯電話も破損したのだが、その携帯には実は、重要な連絡が何度も入っていた。それは、FX取引会社からの相場急変の知らせ――妻のYさんはそうとは知らず、1500万円の損失を被ることに。
「FX取引による損失は、本人の死後、相続人に引き継がれます。ネット上の取引による負債も、相続人が負うことに」(伊勢田さん)
◆ネットオークションの相手が詐欺容疑をかけられて…
娘をクモ膜下出血で亡くしたEさんの元に、詐欺容疑をかけられかねない事態が。娘さんは生前、ネット上で競売するネットオークションを行っていたものの、急逝したため商品が送れず、運営会社にクレームが殺到したのだ。
「すぐに商品を発送したため、事なきを得ましたが、故人が商取引をしているケースがあるので、メールは必ず確認を」(萩原さん)
※女性セブン2017年4月20日号