今回の「SUBARU」の場合、ふたつのパターンの複合型だという。SUBARUブランドは海外で広く認知され、アメリカや中東での評価も高い。さらに自動車の枠を超え、航空宇宙事業にも幅を広げているからだ。SUBARUの今後について、自動車業界に詳しい経済ジャーナリストの福田俊之氏はこう見る。
「SUBARUは4年連続で売上高・利益ともに過去最高を更新し、昨年は年間生産台数が初めて100万台を突破した。衝突被害軽減ブレーキ『アイサイト』の評価も非常に高い。ただし、まだまだトヨタや日産に比べると及ばない。今後も海外での販路拡張など、足腰を強化することが重要でしょう」
今回の社名変更がトヨタやホンダなど、社名とブランド名が一致した大手各社を意識したものであることは間違いないだろう。ただし、逆にトヨタは「レクサス」、ホンダは「アキュラ」といった社名とは別のブランドを立ち上げ、成長のエンジンとしてきた。その意味で社名とブランド名を統一したSUBARUの次の目標は社名と違うブランドを立ち上げ、世間に認知させることになるのだろうか。
※週刊ポスト2017年4月21日号