ブランド名と社名を統一した先に、どんな未来図を描くのだろうか。4月1日、「富士重工業株式会社」が「株式会社SUBARU」に社名を変更した。「長年親しまれてきた社名を変え、SUBARUブランドを磨く狙い」(広報部)だというが、この決断の持つ意味は大きい。
経営学者で岡山商科大学教授の長田貴仁氏によれば、社名変更には大きく2つのパターンがあるという。
「ひとつは、会社名よりもブランド名が浸透しているケースで、松下電器がパナソニックに変わったのはこの典型です。ブランド名は有名でも、特に株式市場では、社名で上場しているので海外の投資家をひきつけられない。社名とブランド名を使い分けたり併記したりする非効率をなくす狙いもあります。
もうひとつは、時代の流れとともに、業務内容が社名にそぐわなくなるケースです。例えば、SONYは、『東京通信工業』が電気事業以外への進出を考えて社名を変更しました。富士フイルムも、世の中がデジカメ時代に以降していく状況を見て、『富士写真フイルム』から社名を変更した。現在行なっている胃カメラや医薬品といった事業は、フイルムの技術や販路を活かした事業で、社名変更は元の強みを活かしながら新事業を展開していく決意表明のようなものだったと考えられます」