スポーツ

27歳で引退した山の神・柏原竜二 駅伝界に残した真の功績

引退した山の神・柏原竜二の功績とは(写真:時事通信フォト)

「彼は箱根駅伝を変えた規格外のスター選手です。心からお疲れ様といいたい」──4月3日、「新・山の神」こと柏原竜二(富士通)が27歳の若さで引退を表明。その一報を受けて、日本で最も陸上長距離の現場に足を運ぶウェブメディア「EKIDEN NEWS」を主宰する「博士」こと西本武司氏の弁舌は熱を帯びた。

 柏原は2009年から東洋大の山登り5区走者として4年連続区間賞を獲得。順天堂大の今井正人(現・トヨタ自動車九州)に続く「新・山の神」の異名を取ったが、卒業後はケガに苦しんだ。西本氏がいう。

「柏原選手の魅力はその走力に止まりません。今井や3代目・山の神の神野大地(青学大→コニカミノルタ)とも位相の違う存在です。箱根の楽しみ方そのものを変えた選手。その最大の要因は、彼が東洋大2年だった7年前、実名でツイッターを始めたことです。

 ツイッターを通じて報道とは違う視点で箱根が語られるようになり、関係者しか集まらなかった関東インカレや記録会の予定がツイッターを通じて広まって、ファンが詰めかけるようになりました。柏原選手がきっかけで陸上ファンなった人は数多く、功績は大きい」

 現在では、有力選手の多くがアカウントを持つようになり、箱根の楽しみ方は多角化した。

 昨年10月には、箱根予選会で敗退した中央大の4年エース町澤大雅(現・日清食品グループ)が学生競技からの引退宣言をつぶやき、そこに1年生ながら主将を務めた舟津彰馬が「頼りない主将で本当に申し訳ありませんでした」とリプライ。最後は町澤が「現状で舟津以上のキャプテンができた奴なんていねーよ」と返す青春劇が展開され、駅伝ファンは釘付けになった。

 そうしたやり取りが見られるのも、柏原のおかげだと西本氏は強調する。

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン