最近、各所で安楽死がよく話題になっている。議論も活発になってきているが、その火付け役ともなった脚本家の橋田壽賀子さんと、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が対談をした。橋田さんとの対談で改めて、鎌田医師が日本での安楽死とその現状について考えた。
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91歳の脚本家、橋田壽賀子さんの安楽死宣言が波紋を呼んでいる。「文藝春秋」(2016年12月号)に掲載されたエッセイ「私は安楽死で逝きたい」で、橋田さんはこんなふうに書いている。
「周囲に迷惑をかけたくありませんから、頭がボケた状態では生きていたくない。何もわからなくなって、生きる楽しみがなくなったあとまで生きていようとは思わないんです」
さらに橋田さんは「回復の見込みがないままベッドに寝ているだけで、生きる希望を失った人は大勢います。長患いをしてもうこれ以上子どもに迷惑をかけたくないという人もいる。そういう人が希望するならば、本人の意思をきちんと確かめたうえで、さらに親類縁者がいるならば判をもらうことを条件に安楽死を認めてあげるべきです」と、安楽死の法制化も求めている。
安楽死とは、日本尊厳死協会によると、医師などの第三者が薬物などで患者の死期を積極的に早めることをいう。これに対して、尊厳死とは、延命治療をせずに自然死を迎えることである。どちらも、「不治で末期」「本人の意思による」というのが条件になるが、協会は安楽死を認めていない。
なぜ、そんなに安楽死を望むのか。橋田さんと「文藝春秋」3月号で対談した。