ライフ

鎌田實医師 橋田壽賀子氏との対談から考えた安楽死

橋田壽賀子氏と対談した鎌田實医師

 最近、各所で安楽死がよく話題になっている。議論も活発になってきているが、その火付け役ともなった脚本家の橋田壽賀子さんと、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が対談をした。橋田さんとの対談で改めて、鎌田医師が日本での安楽死とその現状について考えた。

 * * *
 91歳の脚本家、橋田壽賀子さんの安楽死宣言が波紋を呼んでいる。「文藝春秋」(2016年12月号)に掲載されたエッセイ「私は安楽死で逝きたい」で、橋田さんはこんなふうに書いている。

「周囲に迷惑をかけたくありませんから、頭がボケた状態では生きていたくない。何もわからなくなって、生きる楽しみがなくなったあとまで生きていようとは思わないんです」

 さらに橋田さんは「回復の見込みがないままベッドに寝ているだけで、生きる希望を失った人は大勢います。長患いをしてもうこれ以上子どもに迷惑をかけたくないという人もいる。そういう人が希望するならば、本人の意思をきちんと確かめたうえで、さらに親類縁者がいるならば判をもらうことを条件に安楽死を認めてあげるべきです」と、安楽死の法制化も求めている。

 安楽死とは、日本尊厳死協会によると、医師などの第三者が薬物などで患者の死期を積極的に早めることをいう。これに対して、尊厳死とは、延命治療をせずに自然死を迎えることである。どちらも、「不治で末期」「本人の意思による」というのが条件になるが、協会は安楽死を認めていない。

 なぜ、そんなに安楽死を望むのか。橋田さんと「文藝春秋」3月号で対談した。

関連記事

トピックス

吉村洋文・大阪府知事の政策の本質とは(時事通信フォト)
吉村洋文・大阪府知事が「ライドシェア大幅緩和」を主張で「かえって渋滞を深刻化させる」リスク 派手な改革を求めるほどに際立つ「空疎さ」
週刊ポスト
高級寿司店でトラブルが拡散されたA子さん(寿司の写真は本人SNSより)
《高級寿司店と炎上の港区女子に騒動後を直撃》「Xの通知が一生鳴り止まないんじゃないか」大将と和解後の意外な関係
NEWSポストセブン
小倉優子
小倉優子、早々の「大学留年宣言」がおいしすぎる理由 「女子大生+ママ」の二刀流は唯一無二、ゆくゆくは企業の役員の道も?
NEWSポストセブン
一時は食欲不振で食事もままならなかったという(4月、東京・清瀬市。時事通信フォト)
紀子さま“体調不良報道”でも気丈な姿、単独公務先で「こちらにどうぞ」と気さくに声かける お元気そうな様子に同行していた記者たちは驚き
週刊ポスト
現地でくばられたノアさん関連のビラ(時事通信フォト)
《人質らが証言する劣悪環境》ボーイフレンドの目の前でハマスに拐われた26歳女性の救出に成功も「体重激減」「ゴミ箱で排泄」の惨状
NEWSポストセブン
6月9日、鹿児島市内の認定こども園で、刃物のようなもので男児の首を切りつけて出血させたとして、殺人未遂容疑で逮捕された笹山なつき容疑者(21)
《鹿児島2歳児切りつけ》「見えたらいけないものが…」21歳の女性保育士が犯行前にSNSで意味深投稿 母校の高校関係者は「夢の実現目指して熱心に勉強を」
NEWSポストセブン
大学受験に向けて動き出されている悠仁さま(写真/JMPA)
悠仁さまの東大受験に暗雲、推薦枠での入学には極めて高いハードル 進学先候補に東京農業大学、玉川大学、筑波大学
週刊ポスト
中村芝翫と三田寛子
三田寛子、夫・中村芝翫と愛人の“半同棲先”に怒鳴り込んだ「絶妙タイミング」 子供たちも大事な時期だった
週刊ポスト
【全文公開】中村七之助、梨園きってのモテ男が“実家お泊り愛”の真剣交際 お相手は京都の芸妓、直撃に「ありがとうございます」
【全文公開】中村七之助、梨園きってのモテ男が“実家お泊り愛”の真剣交際 お相手は京都の芸妓、直撃に「ありがとうございます」
女性セブン
全国ライブ中の沢田研二
《ファンの声援にブチ切れ》沢田研二が「見てわからんか!」とステージ上で激怒し突っ込んだ「NGワード」
NEWSポストセブン
長所は「どこでも寝られるところ」だと分析された(4月、東京・八王子市。時事通信フォト)
愛子さま、歓迎会の翌日の朝に遅刻し「起きられませんでした」と謝罪 “時間管理”は雅子さまと共通の課題
NEWSポストセブン
日本中を震撼させた事件の初公判が行われた
【悲劇の発端】瑠奈被告(30)は「女だと思ってたらおじさんだった」と怒り…母は被害者と会わないよう「組長の娘」という架空シナリオ作成 ススキノ事件初公判
NEWSポストセブン