国内

ネット上では面白発言より無難が吉、仕事が減る

ネットニュース編集者の中川淳一郎氏

 実際に会ったときはおとなしいのに、ネット上では勇ましくなる人がいる。SNSの時代になり、読んでくれる人にウケようと、発言が過激になる人も目立つ。ネット上の振る舞いと実生活は別のものだと発信する本人は思っていても、それを読む人はそう受け取るとは限らない。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、ネットでの言動はどうあるべきかについて考察する。

 * * *
 最近雑誌やウェブの編集者が、連載執筆や取材を依頼するにあたり、重視しているのが「SNSでの情報発信」である。フォロワーが多い人が告知をしてくれ、販売部数やアクセス数が増えることを期待する。だからこそ、ライターであろうとも、自分が関わった記事が掲載されたら「この1か月間取材してきた大作がようやく日の目を見ました♪」なんてツイートをする。かくして、発注主は「よしよし、愛いヤツよのぅ、もっと宣伝頑張るのだぞ。また仕事出してやるからな」と思うのである。

 ただし、逆もある。どんなに優れた書き手や高い知名度を持った人物であろうとも、仕事の内情を暴露したり、編集者や会社の悪口をSNSに書き、発注側を無能な悪者に仕立て上げる人は敬遠される。

 最近、雑誌編集者と喋ったが、SNS上での発言が、仕事を依頼するか否かの大きな基準になると語っていた。何しろ、「小学出版のバカ編集者の中川の野郎は直前になって企画を変えてきやがる。いい加減にしろ」などと実際に書いてしまう人もいるのだ。

 すると、支援者から「本当にひどい扱いですね。〇〇さんへの敬意が足りないそんな仕事は切りましょう」などのメッセージが届くため、発信者はますます気持ちよくなり、悪口を書き続ける。発注側にも言い分はあるものの、仮にネットで反論でもしようものなら、一斉に〇〇さんの支援者から攻撃を食らって炎上。

 一般企業でもこれは同じで、知り合いの営業マン・Zはとにかく顧客の悪口ばかりフェイスブックに書いている。「友だち限定」の公開にしているのだが、実際Zに仕事を頼むのは、「友だち」でもある上司や同僚である。現在、Zは社内で危険分子扱いされ、いつフェイスブックをやめさせるかも上司は協議しているという。

関連キーワード

トピックス

炊き出しボランティアのほとんどは、真面目な運営なのだが……(写真提供/イメージマート)
「昔はやんちゃだった」グループによる炊き出しボランティアに紛れ込む”不届きな輩たち” 一部で強引な資金調達を行う者や貧困ビジネスに誘うリクルーターも
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
藤浪晋太郎(左)に目をつけたのはDeNAの南場智子球団オーナー(時事通信フォト)
《藤浪晋太郎の“復活計画”が進行中》獲得決めたDeNAの南場智子球団オーナーの“勝算” DeNAのトレーニング施設『DOCK』で「科学的に再生させる方針」
週刊ポスト
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
「漫才&コント 二刀流No.1決定戦」と題したお笑い賞レース『ダブルインパクト』(番組公式HPより)
夏のお笑い賞レースがついに開催!漫才・コントの二刀流『ダブルインパクト』への期待と不安、“漫才とコントの境界線問題”は?
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン