アルコール規制はアジアにも広がっている。シンガポールでは2015年4月に酒類規制法が施行され、夜10時半以降の酒の販売、公共の場所での飲酒が全面禁止され、飲食店でも政府の許可がない店では飲めない。観光客も違反すると禁固3月か最大16万円の罰金となる。
インドでは昨年から仏教の聖地ガヤを抱える東部のビハール州でそれまで認められていた飲酒と酒の販売を全面禁止した。観光客も高級ホテルも禁止だ。これでインドの4つの州で飲酒禁止令が出され、今年4月からは全土の主要道路から500メートル内の飲食店で酒の販売が禁止された。
インドネシアでも、「国民の健康」のために全土で酒を全面禁止する法案が提出され、成立すれば酒メーカーやレストランで約12万人が失業し、バリ島などの国際観光都市は大打撃を受けるとみられている。こうした世界の動きをみると、日本で飲酒規制が強化されるのは時間の問題に思えてくる。
※週刊ポスト2017年4月28日号