とはいえ、住所氏名の公表を望まない住民がいることも、また当然のことです。ネット検索より時間と手間がかかる電話帳の場合ですが、電話加入時に住所氏名の掲示を明確に断わっていたのに、掲載したことがプライバシー侵害の不法行為になるとして、慰謝料の支払いを命じた裁判例もあります。
看板についても同様にいえるので、不安であれば行政に事情を説明し、名前の掲示をしないように求めてはいかがですか。
【弁護士プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2017年5月5・12日号