三菱は戦前から現在まで日本の防衛産業を担い、原発や宇宙開発などの国家プロジェクトの中核となってきた。それはまさに国への貢献を企業の使命と位置づけるからこそだろう。その理念は経営トップだけではなく、新入社員の段階から浸透していく。
「うちは戦車やミサイルもつくっています。それでもよろしいですか」
三菱重工や三菱電機の入社面接では最後にそう尋ねられることがあるという。そうした面接をくぐり抜けた新入社員はどんな部署に配属されても、「国への貢献」という綱領の重要性を自覚させられているわけである。
※週刊ポスト2017年5月5・12日号