戸籍の生年月日と実際に生まれた日が違うことがわかったのは、昭和17年(1942年)。戦時中に海の向こう(満州)でお国のために戦う兵隊さんの慰問に行こうとした時に、身分証明書を作らなければいけないから、役所に行って戸籍を取った時のことです。
母親から「誕生日は9月12日」と聞かされていたのに、戸籍には翌年の1月12日とあった。あれっと思って母親に聞いて、初めて事情を知りました。
私の中では9月12日が誕生日だと思っています。昔からの仲間はその日にお祝いをしてくれますし、芸能界紳士録の登録も9月12日。
ただ、ややこしいのは、お国が絡む場合です。すべて戸籍に基づくから、勲章や褒章をもらった時は「1月12日生まれ」としての年齢で記録されるし、発表される。そうなると、1月12日に誕生祝いをしてくれる人も出てきたりするので、1年に2回もお祝いがある。これじゃあ、人様の2倍のペースで歳をとっちゃうことになるわね(笑い)。細かい説明をすると面倒くさいから、何度でもありがたく祝ってもらってますよ。
戸籍の訂正もできるみたいだけど、するつもりはありません。90歳を超えちゃったら、いまさらって感じですよ。9月から1月の間にある取材で年齢を聞かれた時に「あれ、もう1歳若いんじゃないですか。勘違いしてませんか」といわれたりするんだけど、この歳になると一つくらいの違いはよくわからない(苦笑)。