膀胱水圧拡張術を実施すると縮んでいた膀胱が広がるため、それまでよりも膀胱内に尿を溜めておけるようになり、頻尿などの症状が緩和される。患者によっては、半年から2、3年程症状が軽減されたままで推移することもある。再発したら、再び膀胱水圧拡張術を実施する。
「根治する治療法は確立されていないので、薬物と膀胱水圧拡張術を組み合わせて治療を行ないます。これらの治療法で効果があがらず、しかも症状が強くでる方に対しては、腸管の一部を切って使い、膀胱を拡張したり、摘出するという手術もありますが、術後も痛みが続いたという報告もあり、慎重に検討する必要があります」(横山医師)
発症後に唐辛子(カプサイシン)やワサビなどの香辛料や柑橘類などを食べると症状が悪化することもある。症状がそれほど重くない場合は、セルフ膀胱訓練も効果がある。排尿したいときに、少し我慢して排尿の間隔を延ばしていくもので、排尿日誌を付けながら行なうことにより、効果が高くなる。なによりまずは、しっかり診断を行ない、治療法を決めることが大切だ。
●取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2017年5月5・12日号