街で盲導犬を見かけたとき、どのように接したらいいのか迷ったことはないだろうか? 盲導犬に声をかけていいの? なでても大丈夫?
「基本的に仕事中の盲導犬には声をかけたりなでたりはご遠慮くださいね。気が散ると段差などの危険を見逃しちゃうことがあるので。あ、申し遅れましたが、ボクは盲導犬PR犬のオーパス。盲導犬の役割を伝える仕事をしています」
写真のラブラドールレトリバー・オーパスがいる『盲導犬の里富士ハーネス』は富士山を目の前に望む絶好のロケーションのなか、盲導犬のすべてを楽しく知ることができる施設。
「ここは“盲導犬の一生をトータルケア”を目的としていて、子犬や引退犬もここで過ごしているんですよ」
富士ハーネスでは年間100匹ほどの子犬が生まれ、生後2か月になるとパピーウォーカー(盲導犬の子犬を育てるボランティア)の元ヘ。1歳になると訓練がスタートし、実際に盲導犬として送り出されるのは3~4割だという。
「ボクの場合は物怖じしなくて社交的な性格だったこともあってPR犬という進路が決まりました。でも、盲導犬の仕事はすべてマスターしているので、毎日デモンストレーションで見てもらっています!」
ときには企業や学校を訪問することもあり、彼らPR犬は盲導犬の普及になくてはならない存在なのである。
【プロフィール】
名前:オーパス ♂
年齢:5歳
種類:犬(ラブラドールレトリバー)
勤務先:公益財団法人日本盲導犬協会
日本盲導犬総合センター(盲導犬の里 富士ハーネス)
職種: 盲導犬PR犬
主な仕事内容:視覚障害、盲導犬についての啓発活動のお手伝い。富士ハーネスでのデモンストレーションの他、企業や学校を訪問して盲導犬育成事業について正しく理解していただくこと。
お給料:満面の笑みで「Good!」とほめてもらうこと。
好きなこと:ボール遊び。職員やボランティアさんとのお散歩。
嫌いなこと:ブラッシングされると、くすぐったくて逃げちゃう!
現在の悩み:1日2回のごはんタイムが待ち遠しいこと…。
将来の夢:盲導犬の受け入れ拒否がゼロの優しい社会。
撮影/山口規子
※女性セブン2017年5月11・18日号