日本の現状を憂う亀井静香氏
石原:今、アメリカが原爆を投下して、世界が許容する国というのは、唯一、北朝鮮だろうな。核兵器で北の指導者が全滅しても、世界は文句を言わないと思う。
亀井:国際世論は支持するかもしれないけど、現実には核爆弾で指導層や北朝鮮軍を同時に殲滅することはできません。
石原:そうなると、一番早いのは、やはり金正恩を暗殺することだろうな。今、米韓軍事演習で何をやっているかというと、その一つはボートや小潜航艇で北朝鮮の川をさかのぼって、平壌に潜入して要人を暗殺する訓練です。金正恩もそれを非常に警戒している。
亀井:先日、韓国に行ってその川を見てきましたよ。
石原:ああ、そう。
亀井:今のところは穏やかなものでしたが。暗殺にしたって、一瞬で結着つけないと、韓国は火の海で、日本にもミサイルが飛んでくる。一度に何十発も撃たれると、イージス艦やPAC3で全部撃ち落とすことはできなくて、何発かは本土に到達する。
石原:しかし、暗殺が一番安上がりで、かつ、アメリカが非難されずに済む方法じゃない。
亀井:いくらCIAや米軍の特殊部隊が有能でも、相手も必死で守るわけで、限界がある。だから、トランプは手出しできない。一方で、北のほうも経済制裁で追い詰められていくから、困っていることは事実。
※週刊ポスト2017年5月19日号