「中国にも『PM2.5に効く』という中医薬(漢方薬)がありますが、効果のほどはよくわかりません。でも、『ダスモックは効く』とよく聞いていて、友人や親戚からお土産に頼まれました」(上海市の40代男性)
「ダスモックがPM2.5に効く」というのはどこで得た情報かを聞いてみると、ネットメディアやSNSで“神薬”として紹介されていたからだと皆が口をそろえる。
「ダスモックはすごく売れていますね。今では月に100個以上は売れます。以前は(大気汚染が深刻な)北京から来た人が買っていくケースが多かったですが、いまは地域に関係なく買っていかれます」(新宿のドラッグストア店員)
この店では店頭に、中国語で大気汚染対策を謳ったポップとともにダスモックが陳列されていた。小林製薬も、効能を謳っていない「PM2.5」を理由に売れていることに驚きを隠さない。
「『ダスモック』がインバウンド需要で売れているという話は把握しています。2015年頃から売り上げが伸び、2016年の前年比売り上げは約140%になりました」(同社広報総務部)
【PROFILE】しみず・のりゆき/1966年愛知県生まれ。大阪大学工学部造船学科卒業。1991年よりフリーランス。著書に『「脱・石油社会」日本は逆襲する』(光文社)がある。
※SAPIO2017年6月号