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佐藤優氏 消費税導入で日本の社会民主主義の矛盾が露わに

作家の佐藤優氏

 天皇の譲位問題にともない、平成の終焉が取り沙汰されるようになった。さて、平成とはどんな時代なのか。「昭和が終わった日」をモスクワの日本大使館で迎えた佐藤優氏と、日本の保守思想の変遷をとらえてきた片山杜秀氏が、バブル期および崩壊後の時期について語る。

片山:そのころ私は、大正や昭和初期の右翼思想の研究をしていたのですが、過激なものより、原理日本社のような、日本はありのままの今の日本でいいんだというような思想に興味を持ちました。時間が停滞してその中で人間が受身になる感じの思想がアクチュアルに感じられまして。

 バブルの前の高度経済成長をいったんやり遂げた感のあった日本には、一定の状態がフラットでずっと続いていく、その中で宙づりになって漂っているのが良いという雰囲気があったでしょう。ポスト・モダンという言葉で呼んでもいいのですが。そのことを、右翼思想と対比して確かめたかったのです。

 その後、1989年にベルリンの壁が崩壊、1991年にはソ連も消滅した。日本ではバブル崩壊。佐藤さんは、ソ連や東欧が劇変する現場を目の当たりにされましたね。

佐藤:ベルリンの壁が崩れたあと、バルト諸国で独立運動が深刻化して、東欧諸国で次々と革命が起きた。さらにモスクワで発生したクーデター未遂事件がソ連崩壊の引き金となった。そのすべてを追ってきました。

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