「いやあ、それが自分でもよくわかりませんで(笑い)。『晩鐘』を書いた後はもう、私の胸の中にあるものを総ざらえで出した、出し切ったと思ったものですから、もうないと思っていましたの。そうすると、私はできることが何もないものですから、毎日ぼんやり過ごしていると、だんだんうつ病みたいになってきたんですよ。

 そこへちょうど『女性セブン』からお話がありまして、それを書き始めたら元気が出てきて、うつ病も消し飛びましたので、やっぱり私は書いていると機嫌がいいんだなということがわかりました。

 だから今は、連載も終わりまして、何も書いてないんですけれども、この後、どうなるかわかりません。頭もだんだん衰えていますしね。体もあちこち悪いところがありますから、多分もうおしまいじゃないかなという気がします(笑い)」

――「生涯現役」は目指さない?

「その生涯がもう目の前に終わりが近づいておりますので(笑い)」

――ご自身のために書いていることが、読者からものすごくありがたく受け止められて、たくさんの感謝の声が届くということについては?

「だから、本当に世の中っていうものは面白いものだと思いますね。私は昔、憎まれていた作家なんですよね。ああ、また佐藤愛子はこんなことを、くだらんことを言っているっていうふうにね。でも、それしか言うことがないから書いていたわけで、そうすると今度、それが何か褒められるというふうになりますと、私自身は変わってないんですよ。相手方が変わっているだけでして、だから、時代っていうものは面白いものだなというのが、私の感想です」

※女性セブン2017年5月25日号

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