ライフ

食通俳優・中尾彬 日本の中華は驚くほどに見た目が美しい

日本の中華は独自の発展を遂げた(写真:JUN TAKAGI)

 中国から入ってきて日本に浸透した文化のひとつに「食」が挙げられる。以来、独自の発展を遂げた「日本の中華料理」が持つ、本場の中華にない魅力を、芸能界きっての食通である中尾彬氏に聞いた。

 * * *
 冷やし中華も日本オリジナルの中華料理です。

 東京・神田神保町にある「揚子江菜館」の「五色涼拌麺(五目冷やし中華)」は、富士山の形をしています。山のように盛った麺の頂上に雲を模した錦糸卵を乗せて、山肌を細く切ったキュウリやチャーシューでデコレート。見た目にも鮮やかな一品です。保存や衛生の行き届いた日本では、冷たい料理が発展する土壌がありますね。

 中国人は見た目に気を遣わないから、麻婆豆腐が洗面器みたいな器で出てきて、“ちょっと待て”と思うこともあります。その点、日本は「おいしい」を「美しく味わう(美味しい)」と書くほどで、お皿に盛りつけた時に“わぁすごい”と驚くほどに見た目が美しい。細工物にも目を見張ります。

 本場の中華の難点は他にもあります。まず、食べる側からすれば量が多すぎる。たくさん出して食べてもらうのが向こうの礼儀だろうけど、日本ではきっちりと人数分つくることが「おもてなし」になります。

 また最近の中国で困るのは、調味料に「旨味調味料」を使う店が増えたことです。缶に入っている調味料をお玉ですくってドバっと入れるのだけど、あれはひどい。最近の中国は食品関係のモラルがだらしなく、職人が育っていない印象です。

【PROFILE】なかお・あきら/1942年千葉県生まれ。1964年「月曜日のユカ」で映画デビュー。俳優として活動するほか絵画や食にも造詣が深く、近年はバラエティ番組に多数出演しさらに活躍の場を広げている。

●構成/池田道大

※SAPIO2017年6月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

TOKIOの国分太一
「テレビ局内でのトラブルが原因ではないか」TOKIO国分太一が重大なコンプライアンス違反で『鉄腕DASH』降板へ…ざわつく業界関係者ら
NEWSポストセブン
悠仁さまの大学進学で複雑な心境の紀子さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、今年秋の園遊会に“最速デビュー”の可能性 紀子さまの「露出を増やしたい」との思いも影響か
女性セブン
グラビアのオファーも多いと言われる中川安奈アナ(本人のインスタグラムより)
《SNSで“インナーちらり笑”》元NHK中川安奈アナが森香澄の強力ライバルに あざとキャラと確かなアナウンス技術で「ポテンシャルは森香澄以上」との指摘
週刊ポスト
不倫が報じられた錦織圭、妻の観月あこ(Instagramより)
《錦織圭・モデル女性と不倫疑惑報道》反対を押し切って結婚した妻・観月あことの“最近の関係” 錦織は「産んでくれたお母さんに優しく接することを心がけましょう」発言も
NEWSポストセブン
殺人容疑にかけられている齋藤純容疑者。新たにわかった”猟奇的”犯行動機とは──(写真右:時事通信フォト)
〈何となくみんなに会うのが嫌だった〉頭蓋骨殺人・齋藤純容疑者の知られざる素顔と“おじいちゃんっ子だった”容疑者の祖父へ直撃取材「ああ、そのことですか……」
NEWSポストセブン
お疲れのご様子の雅子さま(2025年、沖縄県那覇市。撮影/JMPA) 
雅子さまにささやかれる体調不安、沖縄訪問時にもお疲れの様子 愛子さまが“異変”を察知し、とっさに助け舟を出される場面も
女性セブン
不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《美女モデルと不倫》妻・観月あこに「ブラックカード」を渡していた錦織圭が見せた“倹約不倫デート”「3000円のユニクロスウェットを着て駅前チェーン喫茶店で逢瀬」
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
不倫が報じられた錦織圭、妻の元モデル・観月あこ(時事通信フォト/Instagramより)
《結婚写真を残しながら》錦織圭の不倫報道、猛反対された元モデル妻「観月あこ」との“苦難の6年交際”
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン