「旧世界」の場合はぶどう品種よりも産地が重要となる。しかも、そこにワインの格付けが絡んでくる。
代表的なのがフランスワインの「AOC」。これは、「そのワインがどの土地の条件をクリアしているか」という証明書だ。ラベルには「Appellation(アペラシオン)○○Controlee(コントローレ)」と書かれ、「○○」にはOrigine(生産地)の名前が入る。
たとえば「Appellation Bordeaux Controlee」と書かれていれば、ボルドー地方全体で栽培されたぶどうで造られていることの証明書になる。「Appellation Medoc Controlee」なら、ボルドー地方のメドック地区、「Appellation Margaux Controlee」なら、ボルドー地方メドック地区のマルゴー村で栽培されたぶどうで造られたことを示す。その土地がより狭い地域を示していれば、一般的に品質も価格も高くなる。
また、「旧世界」でも「新世界」でも、ボトルの裏のラベルに日本語で「フルボディ」「ミディアムボディ」「ライトボディ」と書かれていることがある。これは「果実味」「渋み」「アルコール度数」のうち、2つ以上が強ければ「フルボディ」、1つだけ強ければ「ミディアムボディ」、どれも強くなければ「ライトボディ」という意味だ。ワインを選ぶ際の参考になるのだが、主観的な指標なので目安程度にしよう。
※週刊ポスト2017年5月26日号