◆1話、1話を大事に
『BLUE GIANT SUPREME』で、主人公の宮本大はドイツへと修行の旅に出た。物語はまだまだ続くが、気になるのは、次作、つまり3作目の長編だ。テーマは決まっているのだろうか。
「おもしろいテーマはいくらでもあるな、という気はしています。でも、僕はいま『BLUE GIANT』と結婚しているんです。離婚することは考えず、ひとつのことをちゃんとやろう、と。
僕、相撲が好きなんですけれど、お相撲さんがよく『一番、一番を大事に』って言うじゃないですか。以前は、なんだ、この決まり文句はと思ってたんですけど、いまはすごくわかります。ああ、お相撲さんは、本当に心の底からそう思って言ってたんだ、って。僕もいま、この1話を描いたら、次にまた1話となっている。それを継続した結果、ずっと漫画家でいられたらいい。そう思っています」
【プロフィール】いしづか・しんいち/1971年、茨城県生まれ。『BLUE GIANT』は第62回小学館漫画賞(一般向け部門)、マンガ大賞2016第3位、第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門対象など数々の栄誉を受けている。『BLUE GIANT SUPREME』は現在『ビッグコミック』で連載中。第1集は発売中、第2集は6月30日頃発売予定。5月22日発売の週刊ポストには、『BLUE GIANT SUPREME』のオールカラー8Pの特別読切が掲載されている。
取材・文■一志治夫 撮影■今津聡子
※週刊ポスト2017年6月2日号