◆PTA活動は子育ての一環
行事や記念品だけではありません。もし、多くの保護者が「PTAは任意!」と活動を辞めれば、子供たちの学校生活はあらゆる面で変化します。
たとえば現在シーズンまっただ中の運動会も規模を大幅に縮小せざるを得ません。運動会は学校主催の行事ですが、教職員だけでは到底手が回らず、会場の準備から受け付け、観客整理、来賓接待、警備に至るまで、あらゆる雑務をPTAがサポートしているからです。
PTA委員による放課後の校庭管理も廃止され、子供たちは安全で広々とした遊び場を失うことになります。登下校時のパトロールもなくなりますし、PTAと学校、自治会、行政が連携して行う大規模災害発生時の対応にも支障が出るでしょう。
近年は、旧来のPTA組織を一旦解散し、父兄によるボランティア組織が活動を引き継ぐケースがあります。
強制性を排除したアメリカ式の組織運営が特徴的ですが、PTAを完全にボランティア化した結果、現場には「人手不足に悩まされるようになった」「仕事をする人としない人の差がありすぎる」という不満の声も少なからずあるようです。ちなみにこうしたボランティア組織でも、すべての保護者から会費を徴収しています。
PTAが解散しても、煩わしい行事や活動が完全になくなるわけではありません。面倒なPTAの仕事も「任意ですから!」の一言で片付けず、「子育ての一環」と割り切って協力してもらいたいものです。