ライフ

剣道部も無臭を目指す時代 汗とニオイ対策の最前線

剣道防具の汗とニオイ対策も進化

 バラエティ番組で、女性アイドルが野球部だという大学生を前に「汗って感じでいや。くさそう」と発言し、ネットで炎上したことがあった。学生の部活動で汗とニオイにまみれるのは仕方がないことなのに何事か、というのが主な反論だったが、最近では、汗とニオイはたとえ学校の部活でも対策するのが当たり前のマナーになっている。もっとも対策が難しいと思われてきた剣道部も同様で、新対策法で不快なニオイと無縁になりつつある。

「汗とニオイの問題は長年の課題でしたが、20~30年前まではあきらめていました」と話すのは専門誌『剣道日本』編集部の安藤雄一郎さん。

 剣道着と袴は洗って干せば汗やニオイを取り除けるが、面、胴、小手といった防具には鹿革などが使用されているため、汗がしみても乾かすだけだった。そのため、汗の成分が取り除かれず、雑菌と化学変化を起こしニオイを発生しやすくなっていた。ところが、最近の十年で防具の手入れ法が大きく変わった。

「消臭剤が練り込まれた繊維を使ったり、小手専用の薄手手袋を発案するなど、メーカーも長年、工夫を重ねてきました。また、消臭技術がすすんだおかげで、スプレーや洗剤などを工夫して使っている人も多いようです。一番の変化は、防具をクリーニングできる、洗えるとわかったことでしょう。防具専門のクリーニング業者もありますし、利用する人も増えているそうです。そういう工夫を重ねてきたからか、最近は、大きな大会へ行っても、昔のようにニオイが気になることはなくなりました」(前出・安藤さん)

 実際に、最近の剣道用品には手入れのしやすさをうたったものが少なくない。ジャージ素材で洗濯後の乾きが早い剣道着や、自宅の洗濯機でも洗えるとうたった防具もある。関係者によれば、ドラッグストアで購入できる消臭スプレーや消臭ビーズなどを利用して、ニオイを取り除く工夫をしている人は多い。

 ただし、市販の消臭用品については使い方に気をつけてほしいと、品川区で剣道具の製造と販売をしている東京正武堂の担当者はいう。同店では、約10年前から防具のクリーニングも受け付けている。

「市販の消臭スプレーには革を傷める成分が含まれているものがありますので、剣道の防具には専用の消臭スプレーを使ってください。また、汗をそのままにすると道具としての寿命も短くなりますので、防具を洗濯することをすすめています。最近は、クリーニングの依頼も増えてきました。修理と一緒に頼まれる方が多いですね。いちばん難しいと思われている小手も洗えます。自宅でも洗えますが、防具の作られ方によって洗い方は様々ですので、ぜひ専門店にご相談ください」

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン