ライフ

仕事の邪魔!と同居断った女性 現在は姑に恩返しの同居介護

冷たくした姑に恩返しの介護。58才主婦の実話

 時に人生には手痛い失敗や深い後悔も伴う。それでも人を癒やせるのは、やはり人――。そう思わずにはいられない58才・主婦の実話エピソードをご紹介。

 * * *
「早く元気になってね」
「また来るね」…。

 夫は海外赴任中で、見舞いのアテがない孤独な私にとって、大部屋での入院は苦痛でした。どのベッドも、家族の温かい会話で溢れています。いたたまれなくなった私は、カーテンを閉じていました。ところが、そのカーテンを開けてくれた人たちがいたのです。姑と舅でした。 夫とは結婚して20年、ほとんど別居でした。仲が悪いというよりは、夫は海外で仕事をし、私は東京を離れられない。お互いの仕事を優先させるため、自由に暮らすことにしたのです。子供のいない私には仕事だけが生きがいでした。

 夫の両親は近くに住んでいるのですが、交流しませんでした。結婚時、「息子が単身赴任なのに大丈夫?」と気遣う姑が同居を提案してくれたのですが、将来、介護にでもなったら、自分の仕事の邪魔になると思い、断ったのです。

 ところが50才の時、私の方が先に病に倒れてしまいました。大腸がんでした。しかも、そのせいで会社をリストラされてしまったのです。

 病院に1人でいると、働き詰めだった私の人生はなんだったのかと、むなしくなりました。両親は他界し、身内は夫とその両親だけ。そんな彼らにも、冷たく接してきたのだから、自業自得だと思いつつも、寂しさで押しつぶされそうでした。

 そんな時、来てくれたのが、姑と舅でした。夫から聞いて、慌てて駆けつけてくれたそうです。

 連絡をしなかった私を責めもせず、気を使ってくれます。その上、「退院後は、うちに来たらどう?」と誘ってくれたのです。私は一度、“介護したくない”などという理由で、同居を断ったのに。

 夫の両親と同居を始めて数年。姑は認知症になってしまいましたが、恩返しをするつもりで、楽しく介護をしています。

※女性セブン2017年6月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
各地でクマの被害が相次いでいる(右は2023年に秋田県でクマに襲われた男性)
「夫は体の原型がわからなくなるまで食い荒らされていた」空腹のヒグマが喰った夫、赤ん坊、雇い人…「異常に膨らんだ熊の胃から発見された内容物」
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン