だからこそ、僕は「自立と共生」というものを基本的な理念として主張してきた。日本人はきちんと一国民として自立しなければならない。自立した国民の集合体が自立した国家になる。自立しない国民によって構成される国家は、その時々の、それこそ「空気」であっちに流れ、こっちに流れ、権力を掌握している者にとって都合よく動かされる。そして、その空気がますます強くなっていく。
2009年に政権交代が現実的になった時も、“小沢が総理になったら、これまで築き上げてきた官僚支配が崩される”と、旧体制を支配してきた人たちが非常に心配したんでしょう。それが多分、“小沢を潰せ”となって、権力による国策捜査につながったんだと思う。
そのことが「政権交代の先頭に立っている者が強制捜査を受ける。お上というのはそれができる。何も法律に違反する行為がなくても強制捜査をやれるんだ」と、国民に再認識させたことは間違いない。今でも全然その傾向は変わってない。それどころか強くなっていると思う。だから国民には「お上に逆らわないほうがいい」という意識がまた頭をもたげてきたのではないか。
──当時、メディアも国民もあなたを犯罪者扱いしたが、司法の場で無実であったことが証明され、法的にあなたは攻防に勝利した。
小沢:時間はかかりすぎたけれどもね。