「30分以上になると、熟睡モードになってしまうので、脳が時差ボケを起こすからダメ。でも30分程度ならば、できれば暗くて音のない部屋で、できる限りの五感を遮断すると、睡眠とほぼ同じ効果を得ることができます。部分睡眠は本人の意識では睡眠をとっているのに対して、この感覚遮断は、本人の意識は寝てないのに、脳は寝ているんです」

 腸の環境を整えましょう──と言うのは、やせるおかずの作りおきレシピ本『やせおか』シリーズが大ヒットしている柳澤英子さん(57才)。

「腸は第二の脳といわれ、幸せ物質の『セロトニン』も分泌されたり、糖質を摂りすぎると眠くなったりするのもそのせいだそうです。腸が健康だと骨も丈夫になるといいますし、出来合いのものではなく、おいしくて栄養のあるものをバランスよく食べたほうがよく眠れます。私は、もともとショートスリーパーだったんですが、今では4時間連続でぐっすり眠れるようになりました」

 ちなみに記憶力をアップする方法もある。ドイツのリューベック大学のボルン博士らが発表した論文について、前出・池谷さんが教えてくれた。

「被験者に神経衰弱によく似たゲームのテストで、バラの香りをかぎながら暗記してもらい、その後、デルタ波が出ている深い睡眠中に、バラの香りをかいでもらったんです。すると翌朝のテストの点数が、かがなかったときの平均86点から、平均97点に跳ね上がったというのです。嗅覚は、視覚や味覚などの感覚情報とは違って、直接大脳皮質に届き、海馬を活性化することができるのですが、この結果は睡眠中のにおいの刺激が、記憶を強化したことを示しています」

※女性セブン2017年6月29日・7月6日号

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