近頃よく聞く“墓友”という言葉が出てきた。「お墓に一人で入っても寂しくないように、友達になっておこう」ということだろう。SSSネットワークは、「お墓を提供するためのNPOではなく、素晴らしい今と老後を過ごすための事業の一つが共同墓」という位置づけだという。

 会員が、お花見や食事会、終活に関する勉強会などで交流し、墓友になる。その証が、共同墓の区画にある、名前を刻んだプレートなのだ。

 目下、会員は40代から90代まで約900人。60代が43%と最も多く、50代23%、70代18%、80代以上8%、40代6%。約9割が首都圏在住者だそうだ。お墓の契約者は約300人。亡くなって、すでにお墓に入っている人が36人いる。

 ずっとシングルの人が多いのかと聞くと、「さっきも言ったように『個』に属性は関係ないでしょう? そういうことを問わないのがルールなので、会員の属性の統計はありません」。

 費用は、入会金1万円。年会費1万円。お墓の契約は、別途28万円。

「つい先日、共同墓に60人集まって追悼会をしたばかり。到着順に、バラを1輪ずつお墓に手向け、私が故人のプロフィールを読んで、ワインで献杯しました。そのあと、霊園のサロンでお茶とお菓子もいただき、みんなで2時間くらいお喋りしたかしら。素敵な時間でしたよ」(松原さん)

 国分寺市に住むフリーデザイナー、津田いづみさん(62才・仮名)は、8年前に会員になり、お墓の契約もした。

「私は、今風に言うと『おひとりさま』だけど、昔風に言うと『行かず後家』。好きな仕事をしっかりしてきたと自負していますが、それでも、どこかに引け目を感じるんです。もし、弟が継ぐ実家のお墓に入ったら引け目が大きくなります、きっと。私は1人で自由に生きてきたんだから、お墓も自由に選んでいいでしょう? 最後に自分が眠る場所を確保できた安心感は大きいです」

※女性セブン2017年6月29日・7月6日号

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