死を迎えるその時、人の「最後の記憶」は何になるのだろうか──当然だが、その答えは死ななければ知ることができない。だが、多角的に検証してみると、今際の際まで人の感覚として残っているのは「聴覚」なのだという。
大人気ドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)に登場した台詞が話題になっている。6月14日放送回で、シナリオライターの主人公・菊村栄(石坂浩二・76)は、老人ホームの仲間である“大納言”こと岩倉正臣(山本圭・76)や“マロ”こと真野六郎(ミッキー・カーチス・78)と釣りに興じていた。なかなか釣果の上がらない3人は、近い将来訪れるであろう自分たちの「死の瞬間」について語り出す。
そんな中、大納言が「知ってる?」と切り出した。
「人間が死ぬとき、聴覚だけは最後まで長く生きているらしいね」
それを聞いた2人は、「え!」と驚きの声を上げた──。
「死の瞬間も声だけは聞こえている」という話は、どうやらドラマの“創作”ではないらしい。