ライフ

医薬品 利益追求の一方で「飲み合わせ」の注意喚起は蔑ろに

薬の飲み合わせにはリスクあり

 歳を重ねるほど、どうしても薬を飲む機会も、その種類も増えていく。そうした日常生活に潜むリスクが「飲み合わせ」だ。飲み合わせにより薬の作用が増強したり減弱することは「相互作用」と呼ばれ、医薬品の「添付文書」に書き示されている。場合によっては、脳出血に繋がったり、気管支が過度に拡張されたりするケースもある。

 また、薬と「食品」や「飲み物」の組み合わせについても、注意が必要だ。たとえば代表的な生活習慣病である糖尿病は血糖値を下げる治療薬が一般的だが、インスリンの分泌を促す働きのあるゴーヤと組み合わせると作用が増強されて血糖値が下がりすぎる怖れがある。

 また糖尿病治療薬の「αグルコシダーゼ阻害薬」と虫歯になりにくい特定保健用食品のキシリトールを併用すると軟便や下痢が発生する可能性がある。

 うつ病で処方される『フルボキサミン』系の抗うつ薬は飲み物に注意したい。薬剤師の堀美智子氏がいう。

「フルボキサミンがコーヒーや緑茶に含まれるカフェインの代謝を阻害して、カフェインの血中濃度が上がって不眠になったり不安感を高めることがある。最近流行しているエナジードリンクにはカフェインが大量に含まれているので併せて注意すべきです」

 これほどの多岐にわたる飲み合わせリスクから浮かび上がってくるのは、注意喚起が十分に行きわたらない、医療界の構図だ。国際医療福祉大学大学院の武藤正樹・教授がいう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン