使用貸借は、期間の定めがあれば、その間しか使えませんが、子供の同居期間を決めることは稀です。期間の定めがない使用貸借は、契約の目的に従い、使用及び収益が終わったとき、もしくは使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときに終了します。
子供の社会的自立まで同居させるのが一般的ですから、その準備のために必要と思われる期間が経過すれば、使用貸借は終了します。もし、子が親の面倒を見る目的で同居することになった場合、子が面倒を見ることを止め、親子の信頼関係が破壊された場合には、契約を解除できるでしょう。
裁判所がこうした使用貸借の終了事由があることを認めれば、判決をもって、子供を家から追い出す強制執行ができます。
【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2017年7月7日号