「男性に特徴的なのは“朝勃ちしなくなった”といった性機能の衰えや、“緊張したり、夜中になると尿意をもよおす”などの排尿の不調です。これは睾丸の働きの低下が前立腺に影響することで起こります。いずれも口に出しにくい症状で、男性の更年期が広く認知されていないこともあり、カミングアウトできない“隠れ更年期障害”は多い」
横山氏によれば、男性更年期には3回のピークがあるという。最初は厄年に当たる42歳前後で、性機能の低下や排尿障害、動悸や過呼吸などの症状を引き起こしやすい。2回目のピークは50歳前後で、「休み明けに仕事に行きたくない」「思うように仕事がはかどらない」といった気力の低下が見られやすいという。
「見落としがちなのが3回目のピークである60~65歳です。定年退職を意識し始める時期で、“何にも興味が持てない”“何が楽しみで生きているかわからない”といった燃え尽きタイプの症状が現われます」(横山氏)
しかもそうした症状は、人間ドックでの検診では数値で示されない。自分が「隠れ更年期障害」であることに気がつかない人は珍しくないという。
※週刊ポスト2017年7月7日号