『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)や『マツコの知らない世界』(TBS系)などの情報番組の解説に、「ブロガー」の登場が増えている。コンビニスイーツや袋パンなど、好きが高じて専門家と化した彼らの愛ある話は人々を魅了し、ネットを飛び出し、テレビ、ラジオなど活躍の場を広げている。なぜブロガーがメディアから重宝されているのだろうか──。
まず、ここ数年ブロガーがメディアで活躍するようになった背景を、ネット編集者の中川淳一郎さんは、こう語る。
「ブロガーの活躍は、アイスクリーム評論家のアイスマン福留さんの登場が大きいです。彼は2010年にコンビニアイスに特化したブログで人気を博し、今やテレビやラジオ、雑誌などに引っ張りだこに。ブロガーは、記事の内容がすべて。実名でなくとも、ユニークなペンネームやハンドルネームでも情報が濃ければ問題ありません」
彼らの情報収集能力の高さには目を見張るものがあると、深夜のバラエティー番組『ワケあり!レッドゾーン』(読売テレビ・日本テレビ系)のプロデューサーである讀賣テレビの平山勝雄さんは言う。
「今、メディアで活躍しているブロガーさんは、1つのことに特化しているので情報も早く、内容も深い」
彼らは写真や動画をたくさん持っているので、そのまま放送できるところも起用の大きな理由と語る。画像や映像が見えないラジオの世界でもブロガーの存在は大きい。『中西哲生のクロノス!』(エフエム東京)のディレクター土居木綿さんはこう説明する。
「彼らはブログで常に読者を意識しているため、リスナーが本当に知りたい情報を知っています。写真がなくても、味や形などを細かく表現し、なおかつすべて自分自身で試しているため、嘘偽りがない」
ただし、誰もが注目されるわけではない。『アメーバブログ』を統括するサイバーエージェント・プロデューサーの若村菜摘さんは、トップブロガーの条件を次のようにまとめてくれた。
●読者目線で書いている
●ひとつひとつ丁寧に書いている
●グルメならカロリーまで載せるなど、細部までこだわりぬいた情報
この3つがあってこそ、読者にとって本当に有益な情報になるという。ちなみに、具体的には、パンの達人・ひのようこさんのパンブログ『こんがりパンと美味しい日々』、コンビニ和スイーツの達人・わがしん坊さんの『コンビニ和菓子&和スイーツの逸品!』、いなり寿司の達人・いなり王子さんの『いなりな毎日』などがメディアに重宝され、実際にテレビでも紹介され、反響を呼んだ。
※女性セブン2017年7月20日号