国内

がん治療 ネットだけでなく「患者の会」での情報収集が有益

がん治療で最も大切なこととは?(写真/アフロ)

 2人に1人が罹患するといわれる「がん」だが、もしも告知されたなら、どうすればいいのか迷ってしまう人も少なくないだろう。そこで、がん患者に治療法や専門病院の紹介を行うがん医療コーディネーターの藤野邦夫さんに、がん治療における知っておくべきことを教えてもらった。

 * * *
 がん告知をされると誰もが動揺して、どこのがんなのか、次の診療の予約日さえ忘れることがあります。だから最初の診断を受ける時は、家族など、信頼できる人と聞くことが重要です。そして確実に医師の言うことを聞いて、メモをして帰る。その瞬間から、治療の中心は家族です。本人は張り切ったり、落ち込んだりを繰り返すわけですから、本人に任せると治療方針がブレてしまいます。

 医師には、病状、どこにどれくらいのがんがあるのか、ステージはどれくらいなのかを聞きます。がん細胞の性質や遺伝子の変異も重要です。それで治療法が変わります。そして重要なのが、がんを治療する病院選びです。これで人生が左右するので、慎重に選びましょう。

 急性白血病など、週単位で進行するがんは別ですが、基本的にがんは、発見されてから1か月ほど放っておいても急変しません。この1か月で病院を選定します。出血や黄疸で、近所の病院で緊急手術をすることもあるでしょう。しかし、律儀にその病院でがん手術までする必要はありません。治療に失敗すると、スポーツのように敗者復活戦はありません。最初の治療が決定的なのです。

 では、どうやって調べるのか。ネットで調べる人が多いのですが、膨大な項目があり、そこから有効な情報を見つけるのは困難です。私がすすめるのは、がん患者の会です。大病院や一般の団体など、日本には約3000ものがん患者の会があります。そこに入会して相談し、情報収集をしましょう。

 患者の会に行くと、「あの先生は腕はいいけど女に手が早い」ということまでわかります。

 ここでいちばん知っておいてほしいのは、すべてのがんに優れた病院は存在しません。ですから、医師で選ばなければいけないのです。そのために情報を集めるんですね。そして医師、病院を決めたら、あとは信頼して任せます。

 ステージIVでも助かる時代が来ています。実際に私は、卵巣がんや肺がんのIV期の人が助かるのを見てきました。初めの医師、病院選びが肝心です。

※女性セブン2017年7月27日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト