政治家というのは、心身ともに修業して、“政治家になっていく”ものですが、その過程がなくなっている。1~2回生がみな問題とはいわないが、私からいわせれば経験が足りない。いまいった農業問題でも、何十年もやり続けて、ようやく本質が見えてくるのです。

 農林族のような「族議員」は、世間ではイメージが悪いかもしれないが、その専門分野にエネルギーと情熱を注いで勉強し、そのうえで国際交渉に臨む議員のことです。知識だけでなく、度胸も交渉術も必要です。

 私はWTO貿易交渉のとき、EUと組んで、「アメリカは農業に莫大な補助金をつぎ込んでいて自由化でも何でもない。補助金を70%カットすべきだ」と主張し、アメリカの宣言をつぶしたことがあります。

 自民党はもう一度、こうした交渉ができる“族議員”を育てていく必要があると思います。

※週刊ポスト2017年7月21・28日号

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