ライフ

最も賢い無脊椎動物「たこ」 夏の理想的なたんぱく源

夏に理想的なレシピ「たこのガーリックバター炒め」

 夏が旬となる「たこ」は、複数の吸盤がついた8本の触腕を特徴とする無脊椎動物。頭部に見える丸く大きな部分は実は胴部で、本当の頭は触腕の基部に位置する。

 その柔軟な体のほとんどは筋肉。高い知能を持ち、もっとも賢い無脊椎動物ともいわれる。密封されたねじぶた式のガラス瓶に入った餌を視覚で認識。瓶のふたをねじって餌を取ったり、ココナッツの殻や二枚貝の貝殻を防具として身につけ、天敵であるウツボやサメから身を守る姿も確認されている。ちなみに、ゆでる前のたこの血は青い。

 日本人とたこのつきあいは古く、弥生時代の遺跡からは、蛸壺形の土器が複数出土している。関西地方では、昔から田植えが終わる半夏生(今年は7月2日)にたこを食べる習慣がある。豊作祈願が目的とされるが、体力を奪われがちなこの時期、たこに豊富に含まれるタウリンで田植えの疲れや滋養強壮を図ったという説もある。低カロリーで血行促進作用のある亜鉛も豊富に含み、夏の理想的なたんぱく源である。家庭料理研究家の松田美智子さんはたこについてこう話す。

「たこというと“触腕を食べる”と思われがちですが、私は胴体が好きです。やわらかくて噛めば噛むほど味わい深いのに、触腕よりお買い得。ゆでた際の塩気がありますから、細切りにして和えるだけで、すぐ出せる一皿になります」

【たこの準備】
 一般的にスーパーなどで売られているのは“ゆでだこ”。表面にぬめりがなく、足の先までくるりと巻きがしっかりしたものを選ぶこと。吸盤に1つだけ大きなものがあるのは雌で、雄よりも雌の方が身がやわらかいとされる。すでにゆでてあるので、特に下処理は必要ないが、胴体については、裏返して内側の汚れをキッチンペーパーでよく拭き取ってから調理する。

■たこのガーリックバター炒め
【1】たこの足大きめ1本はひと口大に切る。にんにく1片(小)は薄切りに、あさつき1/2本束は4cm長さに切り揃える。
【2】フライパンににんにくとオリーブ油大さじ2を入れて中火で炒める。香りが出たらたこを加えてさっと炒め、あさつきを入れて味をみて、塩・こしょう各適量で調味。
【3】バター大さじ1を入れて火を切り、余熱でバターをなじませてから器に盛る。

※女性セブン2017年8月10日号

関連キーワード

トピックス

国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン