国内

検察裏金告発者「一度口を開いたら二度とムラにいられない」

元大阪高検公安部長の三井環氏

 内部告発はいわば「義憤」の面もあるが、実際に内部告発をした人々はその後実にキツい報復を受けることも多々ある。仕事を与えられない…、不本意な部署に異動させられる…など様々だ。しかも、国家権力と相対するとなると、告発直前になって“口封じ”されてしまうケースもある。現職の大阪高検公安部長として、検察の裏金問題を告発しようとした三井環氏(73)がそうだ。当時、同氏を支えてくれる人は、ごくわずかだったという──。

 * * *
 内部告発のシナリオはできていました。ところが、朝日新聞記者と打ち合わせをした3日後、私が自宅の玄関を出ると、待ち受けていた“同僚”の捜査官3人に逮捕された。身に覚えのない詐欺容疑でした。

【2002年4月22日に逮捕された三井氏に掛けられた容疑は、実際に住んでいないマンションに住民票を移し、税軽減の措置を受けるための証明書を詐取したというものだった。「大阪地検特捜部」の手掛ける事件としては、異色の“微罪”である。同年4月半ばから、三井氏は検察庁が組織ぐるみでプールしていた年間7億円にも上る裏金(調査活動費)の実態について実名告発する準備を進めていた】

 5月の連休明けの朝日新聞にスクープ記事が出たら、野党の民主党(当時)が国会で質問する。現職幹部の私が実名証言し、その日のうちにバッジを外す──という運びになるはずでした。

 逮捕された日も、記事が出た後に放送するための民放のインタビューを大阪市内のホテルで収録する予定でした。私とメディアの接触を察知した検察は生放送と勘違いして、慌てて強硬手段に出たのでしょう。

 いきなりの逮捕。さらに再逮捕と続き、保釈を勝ち取るまで、拘留期間は325日にも及びました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《熱愛ツーショット》WEST.中間淳太(37)に“激バズダンスお姉さん”が向けた“恋するさわやか笑顔”「ほぼ同棲状態でもファンを気遣い時間差デート」
NEWSポストセブン
アパートで”要注意人物”扱いだった山下市郎容疑者(41)。男が起こした”暴力沙汰”とは──
《オラオラB系服にビッシリ入れ墨 》「『オマエが避けろよ!』と首根っこを…」“トラブルメーカー”だった山下市郎容疑者が起こした“暴力トラブル”【浜松市ガールズバー店員刺殺事件】
NEWSポストセブン
4月は甲斐拓也(左)を評価していた阿部慎之助監督だが…
《巨人・阿部監督を悩ませる正捕手問題》15億円で獲得した甲斐拓也の出番減少、投手陣は相次いで他の捕手への絶賛 達川光男氏は「甲斐は繊細なんですよね」と現状分析
週刊ポスト
事件に巻き込まれた竹内朋香さん(27)の夫が取材に思いを明かした
【独自】「死んだら終わりなんだよ!」「妻が殺される理由なんてない」“両手ナイフ男”に襲われたガールズバー店長・竹内朋香さんの夫が怒りの告白「容疑者と飲んだこともあるよ」
NEWSポストセブン
WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ(右・Instagramより)
《スクープ》“夢の国のジュンタ”に熱愛発覚! WEST.中間淳太(37)が“激バズダンスお姉さん”と育む真剣交際「“第2の故郷”台湾へも旅行」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト