その必要性は感じながら、どのようにセカンドオピニオンを求めていいか分からないという人たちが増えている。そんなニーズを受けてサービスを提供しているのが「アスクドクターズ」というサイトである。読者が医療に対する日々の疑問を書き込み、5100人以上登録している現役医師が回答する。サービスの月額利用料は300円だ。
いわば「ネットセカンドオピニオン」ともいえるような存在だが、ただし、サイトの回答をすべて鵜呑みにするのは危険だと医療ジャーナリストの油井香代子氏は言う。
「多くの医師が匿名なので、どうしても当たり外れが大きいと思います。中には研修医も含まれていて、医師の資格は持っていても臨床経験が浅く、教科書的な答えしか望めません。セカンドオピニオン外来なら1時間で2万~3万円かかることもざらですから、月300円でセカンドオピニオンの前提知識を付ける、くらいに考えておくべきです」
アスクドクターズの運営会社・エムスリーの事務局も、注意を促す。
「実際に病院などに足を運ぶ手間に比べ、手軽に医師に相談できることがサイトの特徴ですが、このサイトで行なわれるやり取りは診療ではなく、あくまで医療相談サービスであるということを念頭に置いていただければと思います」
サイトに参加するまえだクリニック(福岡市)の前田正彦院長の意見はこうだ。同氏は実名で登録をしている。
「我々の意識としても、これはあくまでアドバイスであって、診断ではありません。ですから、病名の宣告や、この薬を使いなさい、といった断定的なことは言いません。セカンドオピニオンを受けたらどうか、専門医はここにいますよ、といったアドバイスをするのがこのサイトの意味だと思います。病院でのちょっとした疑問や説明を聞いても分からなかったら聞く、そういうときに使うのが一番いいのではないか」