「コラーゲンは皮膚や骨、軟骨、腱などにもあり、コラーゲン分解酵素を注射すると他の組織にも影響がでる危険性があります。そのため注射は手のひらと、指の境目から指側に8ミリメートルのところまでしかできません。それ以上、指先に近いところまで処置が必要な場合は手術になります」(三浦部長)
コラーゲン分解酵素の局所治療は、注射後24時間経過し、コラーゲンが解けてきたところで、手に局所麻酔をして指を強く伸ばす。ときには腱が切れるバキンという大きな音がすることもある。
手術の場合は、しこりに沿って皮膚を切り、しこりを亜全摘(一部切除)した後で、突っ張った皮膚をZ形成(ジグザグに切る)することで指を伸ばす。手術も注射も年単位の経過では、再発率が高いといわれている。手のひらにしこりが出現したら、専門医の受診が欠かせない。
●取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2017年8月4日号