入院患者の病室番号は、個人情報です。病院は個人情報保護法の定める個人情報取扱事業者ですが、この事業者は取得した個人情報を、本人の同意なく、第三者に提供することは原則としてできません。
同意がない第三者提供が許されるのは、法令に基づく場合や人の生命身体や財産の保護のために必要があって、本人の同意が得られない場合など一定の場合に限定されています。
あなたは、面会意思と自分の続柄を患者に伝えて病室を教える許可を受けるよう、要請するべきでした。あなたが穏やかに申し入れたのに、病院が聞き入れなかったとすれば、残念な対応であったといえますが、病院には取り次ぐ法的な義務はないのです。
【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2017年9月1日号