◆ギャバ(GABA)と降圧薬
チョコレートやココアの原料であるカカオに含まれているGABA(ギャバ)。正式名称は「ガンマ-アミノ酪酸」といい、哺乳類の中枢神経系において主要な情報伝達化学物質です。不安軽減、痛み緩和、痙攣予防、鎮静効果を持つ可能性があるとされています。
ただ、血圧を下げる可能性もあるので、降圧薬と併用すると効果が増強され血圧が下がりすぎるおそれがあるのです。対象となる降圧薬にはカプトプリル、エナラプリルマレイン酸塩、ロサルタンカリウム、バルサルタン、ジルチアゼム塩酸塩、アムロジピンベシル酸塩、ヒドロクロロチアジド、フロセミドなどが挙げられます。
◆ローヤルゼリーとワルファリンカリウム
豊富な栄養素を含み、5大栄養素(ビタミン、ミネラル、タンパク質、糖、脂質)をバランスよく摂取することができるローヤルゼリー。アンチエイジング、疲労回復など様々な効能が期待されていますが、血液凝固を抑制するワルファリンカリウムの作用を増強することがあります。ワルファリンカリウムを服用しているときに、ローヤルゼリーを摂取すると青あざ(紫斑)の発生や出血の可能性が高まります。
◆カロテン(ベータカロテン)と脂質異常症治療薬
緑黄色野菜に多く含まれ、夜盲症の予防、美肌などの効果が期待されるベータカロテン。それを含んだサプリも多いですが、ビタミンC、セレン、ビタミンEなどと摂取すると、ある種の脂質異常症治療薬の効果を弱めると考えられています。該当する脂質異常症治療薬としては、アトルバスタチンカルシウム水和物、フルバスタチンナトリウム、Lovastatin、プラバスタチンナトリウムなどがあります。
◆ナットウキナーゼと抗血栓薬(抗凝固薬/抗血小板薬)
納豆のネバネバ部分に含まれるタンパク質分解酵素・ナットウキナーゼ。血管の壁にできる血栓を排除し、血液の流れをサラサラにするといわれ、心筋梗塞、脳梗塞、生活習慣病の予防などといった効果が期待されています。血液凝固を抑制する作用があると考えられているので、抗血栓薬を服用中に摂取すると、紫斑や出血が現れる可能性が高くなってしまいます。
◆アルギニンと降圧薬
ウナギやニンニクに含まれ、精力剤としても使われているアルギニンには免疫力強化、筋肉増強などが期待されています。ただ、血圧を低下させる働きがみられ、降圧薬と併用すると血圧が下がりすぎる可能性があります。該当する降圧薬にはカプトプリル、エナラプリルマレイン酸塩、ロサルタンカリウム、バルサルタン、ジルチアゼム塩酸塩、アムロジピンベシル酸塩、ヒドロクロロチアジド、フロセミドなどの種類があります。
* * *
「サプリは薬じゃない」と思って医師や薬剤師に申告し忘れると、思いもよらない副作用が現れてしまう可能性がある。薬だけでなく、服用中のサプリメントも点検してみる必要がありそうだ。