インターネット経由で資金集めを行う“クラウドファンディング”。新しいビジネス手法として注目が集まっているが、成功するのは意外と難しいという。そんな中、目標額の調達をたった1週間で実現させた商品がある。それは、“音を聴くから観るへ”を実現させたスピーカーだ。
絵本『えんとつ町のプペル』で人気の、キングコング西野亮廣。彼の、和歌山での講演時に展示され、大きな反響を呼んだのが、今回ご紹介するワイヤレススピーカー『レビサウンド』(1万5980円)だ。
本商品を作ったのは、同県にあるKEN有限責任事業組合という、音楽好きの仲間が集まって立ち上げた小さな会社だ。代表の和田賢二さんは、以前から日本の電気製品には遊び心が皆無だと感じていたという。
開発のきっかけは、1年半ほど前、2015年の暮れに購入したBluetoothスピーカー。丸い球状の上部に切り込みが入ったフォルムを眺めているうちに、スピーカーが宇宙人の顔に見えてきた。
そこで、UFOを作り、その上に宇宙人の形のスピーカーを浮かび上がらせたら面白いんじゃないか、と思いつき、開発に着手したのだという。
浮揚するシステムを製作してくれるメーカーを探すために、手当たり次第に海外メーカーにメールを送ることから始め、試行錯誤すること約半年。
ようやく出来上がった試作品は、たちまち話題となる。テレビ和歌山、読売テレビ、モノ・マガジン、家電批評など、テレビや雑誌、新聞などに、次々と取り上げられ、宝島社のMonoMaxWebでは、「クラウドファンディングの人気爆発商品7選」の1つとして紹介された。
そう、『レビサウンド』は量産化に向けて行ったクラウドファンディングで、わずか1週間で目標額の100万円に到達し、最終的に1600人から2700万円もの資金を調達することに成功した、驚異のプロジェクトだったのだ。
UFOを模したフォルムのベースの上に、直径約8 cmの球体が浮かび、LEDライトで7色の光を放ちながらゆっくりと回る様子は、実に幻想的。部屋を暗くして使えば、空気感までガラリと変えてくれるだろう。
宙に浮いているため、歪みや振動の影響を受けることなく、澄んだ音色を楽しむことができる。音声到達距離は、障害物がない場所なら約10m。
多くのスマホに搭載されているBluetooth4.1が内蔵されているため、スマホで簡単に操作できるのもうれしい。また、浮かせるためにスピーカーの底面に強力なネオジムマグネットを使用しているため、冷蔵庫や公園の手すりなどにくっつけることもできる。キャンプや子どもや友人とのお出かけの際も、活躍してくれるはずだ。
音を聴くだけでなく“観る”ことを実現させた、遊び心が満載のワイヤレススピーカー。お手頃価格で手に入るオシャレ家電として1台いかが?
※女性セブン2017年9月28日号