スポーツ

清宮幸太郎 U-18W杯を戦い「将来はこっちで野球やりたい」

広陵・中村(右)、履正社・安田(左)と肩を組む清宮

 スラッガーとは本来、孤高の存在なのかもしれない。それが中学1年生の時に“和製ベーブ・ルース”と米国メディアに評され、高校入学後も歴代最多とされる111本の本塁打を積み重ねてきた“怪物”ならなおさらだろう。

 カナダ・サンダーベイで開催されたU-18ワールドカップにおいて、主将を務めた清宮幸太郎(早稲田実)は高校日本代表で浮いた存在となっていた。

 あれはスーパーラウンド第2戦のカナダ戦に敗れた試合後のこと。甲子園でさえ泣くことのなかった横浜高校の増田珠や、試合中の後逸がことごとく失点につながった捕手の古賀悠斗(福岡大大濠)が目を赤らめる中で、清宮だけは凛として報道陣の前に立った。

「明日勝てば、まだ世界一のチャンスはある。下を向く必要なんてない」

 しかし「負けたら終わり」の戦いしか経験のない日本の球児は、敗北を受け止め、すぐに翌日の韓国戦に気持ちを切り換えることは難しい。さらに世界一の悲願が絶たれた韓国戦の最終回。清宮は日本ベンチ前で、こう叫んだ。

「おい! みんな集まれ!!」

 普通、回の始めに組む円陣に全選手は参加しない。先頭打者はネクストバッターズサークルに向かうし、控えの選手たちにもそれなりに仕事がある。それでも宿敵に2点をリードされた窮地に、若きサムライたちを奮い立たせようとした。しかし仲間の足取りは重く、全員が輪に加わることはなかった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

本誌『週刊ポスト』の高利貸しトラブルの報道を受けて取材に応じる中条きよし氏(右)と藤田文武・維新幹事長(時事通信フォト)
高利貸し疑惑の中条きよし・参議院議員“うその上塗り”の数々 擁立した日本維新の会の“我関せず”の姿勢は許されない
週刊ポスト
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者
【新宿タワマン刺殺】ストーカー・和久井学容疑者は 25歳被害女性の「ライブ配信」を監視していたのか
週刊ポスト
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
高橋一生と飯豊まりえ
《17歳差ゴールイン》高橋一生、飯豊まりえが結婚 「結婚願望ない」説を乗り越えた“特別な関係”
NEWSポストセブン
西城秀樹さんの長男・木本慎之介がデビュー
《西城秀樹さん七回忌》長男・木本慎之介が歌手デビューに向けて本格始動 朝倉未来の芸能事務所に所属、公式YouTubeもスタート
女性セブン
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
女性セブン
有村架純と川口春奈
有村架純、目黒蓮主演の次期月9のヒロインに内定 『silent』で目黒の恋人役を好演した川口春奈と「同世代のライバル」対決か
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
離婚のNHK林田理沙アナ(34) バッサリショートの“断髪”で見せた「再出発」への決意
NEWSポストセブン
フジ生田竜聖アナ(HPより)、元妻・秋元優里元アナ
《再婚のフジ生田竜聖アナ》前妻・秋元優里元アナとの「現在の関係」 竹林報道の同局社員とニアミスの緊迫
NEWSポストセブン
大谷翔平(左/時事通信フォト)が伊藤園の「お〜いお茶」とグローバル契約を締結したと発表(右/伊藤園の公式サイトより)
《大谷翔平がスポンサー契約》「お〜いお茶」の段ボールが水原一平容疑者の自宅前にあった理由「水原は“大谷ブランド”を日常的に利用していた」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田首相の脱法パーティー追撃スクープほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田首相の脱法パーティー追撃スクープほか
NEWSポストセブン