「こんなところで終わりたくねえぞ! 3週間やってきたことを全部出そう」
清宮の檄もむなしく、日本は三者凡退に終わり、3位決定戦という名の消化試合に進むこととになった。
◆進路については「消去法で選ぶのは嫌」
もちろん、清宮が無理をしていたわけでも、仲間から忌避されていたわけでもない。早稲田大学出身の父・克幸氏がラグビー界の名指導者で、母・幸世氏は慶應大学ゴルフ部の元主将。アスリート一家で英才教育を受け、名門校で1年生から試合に出場し、世代を代表する大砲として注目されてきた清宮と他の選手とは、距離ができていた。
高校日本代表を束ねる難しさを清宮が吐露したのは大会終了後だ。
「期間が短い分、無茶苦茶大変でした。あいつらもプライドがあるんでね。あまり口で言いすぎないようにはしていましたけど(笑)。最後は目つき、表情を見ても、いい顔になっていた」
清宮は全9試合で4番に立ち、32打数7安打6打点(打率.219)の成績を残した。2本塁打も記録したが、数字以上に海外選手の力のあるボールにどん詰まりするシーンが目立った。つまり、木製バットの対応に苦しんだ。
「あまり気にしないようにしていましたが、結果を見れば違いはあったのかな、と。ちゃんと当たれば飛ぶんだけど、打ったと思った当たりが詰まったり……。慣れの問題だと思います」