ライフ
2017.09.22 11:00 週刊ポスト
緩和ケアのがん患者「家族のために生きた男の最後の選択」
永遠の眠りにつくと思われた7時間後、勝博さんが目覚めた。
「なんだこりゃ?」
あの世に行ったはずが、自宅の天井が目に入ってきたからだという。この言葉を聞いて、妻や娘たちは涙を流しながら笑った。その後、勝博さんは点滴などの治療は一切せずに、ひたすら安静を続ける。
「お父さんのベッドの脇に布団を敷いて、昔みたいに家族4人になったねと言ったら、嬉しそうにしていましたね」(次女・博子さん)
2015年3月、桜が咲き始めた自宅近くを歩く、勝博さんの姿があった。両手にストックを握り、カメラが追いつけないほど速いペースだ。
「歩けるようになるなんて、夢のようだね。倒れた時も頭は冴えていて、俺は自由なんだって思ったら、回復しちゃったんだよ。治療は一切していません」
リハビリも兼ねて、独学で覚えた“手作り籠”が「いっぽ」の看護師や知人に好評で、100個以上を作った。
「主人が頑張ってきて今の家族があるんだから、今度は私が恩返しする番だなと。本当の自分を取り戻せる場所が、家だと思います」(妻・和子さん)
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