国際情報

中国で殺人の冤罪事件 当事者すでに死亡で警察に批判

警察では拷問が行われたという

 中国福建省で2003年4月に5人家族が殺人容疑で訴えられ、2006年に裁判で、5人とも有罪判決を受けて、それぞれ死刑や8年から3年の懲役刑が確定した事件が存在する。同事件における被告の供述が警察の拷問などで強要されたことが立証され、今年9月に開かれた再審の裁判で一転して5人とも無罪となったことが分かった。

 しかし、そのうち実行犯の長男と共謀したとして懲役8年の刑を受けた父親は2012年2月に刑期満了で釈放されたあと、「俺たちはやっていない」と訴え続けたが、病気がちで昨年病死したという。中国では、このような冤罪事件が最近多くなっており、市民の間からも、警察や司法当局の杜撰な捜査に批判が高まっている。中国紙「新京報」が報じた。

 この家族5人は主犯格とされた長男の繆新華氏に加え、父親の繆徳樹氏と新華氏の叔父と2人の弟。

 事件は新華氏ら5人が住んでいた福建省の農村部、拓栄県で起きた。新華氏が付き合っていた妊娠3カ月の女性が包丁で切りつけられた惨殺体で発見された。その女性の家族の証言によると、事件の当日の昼ごろ、女性は新華氏と村の道路で会って話をしており、その後、夜になって女性は外出し、そのまま戻らなかったという。

 2日後に女性は村の外れにある農機具置き場の小屋で遺体となって発見されたことから、警察は新華氏を取り調べるとともに、家族の自宅も家宅捜索したところ、トイレや台所などから、その女性のものらしい血痕が発見された。

 警察は新華氏のほか、父親や叔父、弟の4人からも事情聴取したところ、犯行を自供。さらに、家の中から、見つかった血痕をDNA鑑定したところ、5人のものだと判明したと発表した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン