国際情報

中国人民軍将軍騙る債券詐欺多発 3か月で270人逮捕

中国ならではの詐欺が展開された

 今年に入って中国各地で「中国人民解放軍幹部」と称して、「軍が発行する高利回りの債券」を売りつける詐欺事件が多発しており、今年7月から10月までの3カ月間で、270人の偽軍人が逮捕されていたことが分かった。

 中国では「銃口から政権は生まれる」と言われるように、人民解放軍幹部は中国共産党政権の重要な構成基盤であるのに加えて、320万の将兵を擁する世界最大の軍隊であり、その絶大なる信用を利用しての詐欺事件が後を絶たない。

 中国国営の中国中央テレビ局によると、北京では今年に入って男女の詐欺師2人がそれぞれ「将軍」と、その秘書の「大佐」と名乗って、「軍関係者でなけれれば買うことができない特別な債券(軍債)がある」と言葉巧みに「あなただけに特別に売ってもよい」と持ちかける手口で、数百人が騙される大規模詐欺事件が発生。被害総額は少なくとも1500万元(約2億5000万円)に達したという。

 中央軍事委員会規律検査委員会所属部隊と警察が協力して捜査した結果、今年7月にこの偽軍幹部2人を逮捕。2人が宿泊していたホテルの部屋から偽の名刺や携帯電話5台が見つかり、自宅には偽の軍服が段ボール箱10箱に詰め込まれていたという。

 中国では軍幹部を騙る詐欺事件が多発しており、軍事委規律検査委と警察は今年7月から10月まで集中捜査したところ、270人の詐欺犯を逮捕。彼らが持っていた偽の軍服や軍用銃、身分を表す肩章などの各種の関連品は合計で1万5000点以上にも上ったという。

「人民解放軍幹部」を名乗っての詐欺事件で被害総額が最も多かったのが2014年8月の北京市内での事件だ。中国内陸部の陝西省出身の農民3人がそれぞれ「中将」、「大佐」とあろうことか「国防大臣」になりすまし、総額3400万元(約6億5000万円)をだまし取ったもの。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
韓国・漢拏山国立公園を訪れいてた中黒人観光客のマナーに批判が殺到した(漢拏山国立公園のHPより)
《スタバで焼酎&チキンも物議》中国人観光客が韓国の世界遺産で排泄行為…“衝撃の写真”が拡散 専門家は衛生文化の影響を指摘「IKEAのゴミ箱でする姿も見ました」
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン