国内

名誉を守るドライブレコーダー 交通犯罪の抑止にも効果

ドライブレコーダーの普及率は10台に2~3台程度

 東名高速道路で発生した夫婦死亡事故で、夫婦の車を追い越し車線に停車させた石橋和歩容疑者を逮捕する決め手となったのは、車に備え付けられていた「ドライブレコーダー」だった。事故直後、石橋容疑者は任意の取り調べに対し、「向こうにあおられたから停まった」と証言。しかし、神奈川県警は現場付近を走行していた260台以上の車を突き止め、ドライブレコーダー映像を収集。石橋容疑者の証言の“嘘”を見抜いて逮捕に至った。

 元千葉県警の高速道路交通警察隊員で交通事故調査解析事務所代表の熊谷宗徳さんが解説する。

「ドライブレコーダーは運転中の映像を録画する車載装置です。大きさは10cm四方ほどでバックミラーの上に設置するのが一般的。今はどの自動車メーカーでもオプションで設置できます。市販のものだと5000~数万円と値幅は広いですが、自分の車に合った物があるはずです」

 カメラを進行方向に取り付け、運転中の視界と同様の映像が記録される。車両の動作に関係なく常時録画するタイプと、衝突や急ブレーキといった「衝撃」を感知して自動的に映像を記録するタイプがあるが、映像や音声はいずれもSDカードなどに保存される。熊谷さんは、すべての運転手にドライブレコーダーの設置を強く勧める。

「事故は突然起こります。自分に非がなくても、相手によっては『向こうが急に車線変更した』などと嘘をつく者もいる。そうしたケースでも、ドライブレコーダーで記録しておけば有利になる。もし搭乗者が事故で亡くなり、遺族が裁判に巻き込まれた場合でも、『映像』という動かぬ証拠があれば、故人の名誉を守ることができるのです」(熊谷さん)

 最近のドライブレコーダーはハイテク化が進み、GPS機能のついた機器であれば、スマホや自宅のパソコンにリアルタイムで映像を送ることもできる。

「今年6月に愛知県新城市の東名高速で対向車線から飛び出してきた車と観光バスが衝突した事故では、観光バスがGPS付きのドライブレコーダーを設置していました。バス会社は事故の映像を遠隔地から確認し、直ちに公開してバス側に過失がないことを証明しました」(熊谷さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年11月6日、撮影/JMPA)
「耳の先まで美しい」佳子さま、アースカラーのブラウンジャケットにブルーのワンピ 耳に光るのは「金継ぎ」のイヤリング
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン
受賞者のうち、一際注目を集めたのがシドニー・スウィーニー(インスタグラムより)
「使用済みのお風呂の水を使った商品を販売」アメリカ人気若手女優(28)、レッドカーペットで“丸出し姿”に賛否集まる 「汚い男子たち」に呼びかける広告で注目
NEWSポストセブン
新関脇・安青錦にインタビュー
【独占告白】ウクライナ出身の新関脇・安青錦、大関昇進に意欲満々「三賞では満足はしていない。全部勝てば優勝できる」 若隆景の取り口を参考にさらなる高みへ
週刊ポスト
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
《出所後の“激痩せ姿”を目撃》芸能活動再開の俳優・新井浩文、仮出所後に明かした“復帰への覚悟”「ウチも性格上、ぱぁーっと言いたいタイプなんですけど」
NEWSポストセブン
”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下主催の「茶会」に愛子さまと佳子さまも出席された(2025年11月4日、時事通信フォト)
《同系色で再び“仲良し”コーデ》愛子さまはピンクで優しい印象に 佳子さまはコーラルオレンジで華やかさを演出 
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン