2012年7月に名古屋市で起きたひき逃げ事故では、車道に転倒した69才男性が後ろから来た乗用車にはねられて死亡。加害者は自動車運転過失致死罪で略式起訴されて罰金30万円の略式命令を受けたが、「ひいたのは袋に入ったゴミか石と思った」との供述が認められ、「ひき逃げ」は不起訴となった。

 しかし被害者の息子が、加害者の車のすぐ後ろを走っていたタクシーを突き止め、ドライブレコーダーを確認したところ、被害者をひいたのち、速度を上げて逃走する加害者の車が映し出されていた。

 この映像を証拠として、被害者の息子が判決に不服を申し立てた結果、検察は再捜査に乗り出している。ドライブレコーダーの普及には、犯罪の立証以外にも大きなメリットがある。

「仮に全ての車に装着されるようになったら、『自分の走行がどこかで記録されているかもしれない』という不安感から、悪質な妨害運転を踏み留まる者が必ず出てくる。『映像を記録している』という事実が、交通犯罪の抑止力になるんです」(熊谷さん)

 東名高速の事故を受けて、「最近は『後方のリアウインドーにも設置したい』というお客様が増えました」(あるカーショップ店員)というドライブレコーダーだが、今はまだ10台に2~3台程度の普及にとどまる。

 自分や大切な人を守るためにも、ドライブレコーダーの設置は必須である。

※女性セブン2017年11月9日号

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